[衝撃] 世界初・国産初のラジカセはアイワのTPR-101ではなかった!!

2018年10月5日

先日、『ニッポンラジカセ大図鑑 1967-1988』の
編集と原稿執筆を担当したことを書きました。

(関連リンク)
私が編集・執筆を担当した『ニッポンラジカセ大図鑑 1967-1988』本日発売!!

そこで、タイトルの年表記が1967年から1988年までに
なっているのは理由がある、と書きました。

1988 (昭和63)年は、昭和の最後の年です。
つまり、本書は昭和のラジカセを紹介していることが
お分かりいただけると思います。
で、1967(昭和42)年はというと……。

これまで、世界初、国産初のラジカセは
AIWAのTPR-101であるといわれてきました。

TPR-101:1968年3月発売
(発売年月の出典はステレオ時代vol.7、p.125)

TPR-101が国産初なら、タイトルは
「1968-1988」でないとおかしいですよね。

「アイワ TPR-101」で検索をかけると、
国産初、世界初という文字が踊っています。
しかし今回、我々が本書の制作でいろいろと
調べてみたところ、AIWAのTPR-101よりも先に発売されていた
ラジカセがいくつか見つかりました。

まずは「世界初」について。
海外ではTPR-101よりも2年ほど早く
ラジカセが発売されています。
世界初のモデルといえるかは分かりませんが、
フィリップス初のラジカセ「22RL962」は、
1966(昭和41)年に発売されています。

1966年は、ウルトラマンやサンダーバードが
国内で初放送された年ですね。時代を感じます。

22RL962はフィリップス初のカセットレコーダー、
EL3300を大型ラジオの上に乗せたようなデザインが特徴です。
本書でもURLを掲載しましたが、フィリップスの歴史的製品を
展示しているオランダの博物館「Philips Historical Products」の
ウェブサイトでEL3300や22RL962の写真が公開されています。

(関連リンク)
Philips Historical Products

次に「国産初」について。
こちらも国産初と確定できるかは分かりませんが、
発売はAIWAのTPR-101よりも早いです。

今回調べた機種:
1967年10月:海外で発売(国内で製造、海外へ輸出)
1967年12月末:国内で発売

本書では、メーカーさんの広報部に本書の企画をお伝えして、
確認していただいた情報を掲載しています。

その機種はというと……。
それは、『ニッポンラジカセ大図鑑 1967-1988』
ご確認いただけます。写真も掲載されていますよ。

この機種は、フィリップスのEL3300から引き継いだ
クラッチレバーを採用しているのが特徴です。

写真は、ラジカセではありませんが、
同社のカセットレコーダーのクラッチレバー部分です。


カセットテープが停止した状態です。
早送りする場合にはこのレバーを右に、
巻き戻しする場合にはこのレバーを左に押します。


カセットテープを再生している状態。
手動で上に押し上げる形ですね。
停止させるには、このレバーを手動で
押し下げるしくみとなっています。

つまり、AIWAのTPR-101は
時系列(発売時期)で見ると
世界初のラジカセでも、
国産初のラジカセでもなかったのです。

なぜAIWAのTPR-101が
国産初、世界初といわれるようになってしまったのか、
それには理由があります。

これについては、また後日解説しようと思います。

(追記)
解説を公開しました。
[謎] AIWA TPR-101はなぜ国産初・世界初のラジカセといわれるようになったのか?
[驚愕] アイワの常務・阿部久郎氏はTPR-101を「国産初のラジカセ」とは定義していなかった!!

(関連記事)
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