中学校の校則、理不尽でおかしい? 1980年代半ばの公立中学校の校則はこんな感じでした

2022年6月13日

2006年以降、学校の校則がブラック化している?

近頃、学校の校則が「ブラック化」していると
話題になっています。

Googleの予測変換機能を使うと、
こんな感じでヒットします。

学校 校則 問題
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学校 校則 理不尽
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学校 校則 おかしい

あと、新聞でも校則がブラック化していると
取り上げられていました。
こちらは2019年12月1日に
朝日新聞で取り上げられた記事です。

「校則 ブラック化してる?」と題して
校則の歴史から学校ので校則体験、
SNSから集めた声などが掲載されていました。

ここでは、1990年代に米国の学校をモデルにした
「ゼロ・トレランス」が2000年代に入って浸透、
昔よりも校則が厳しくなったと結論づけています。

現在ではスマホが普及しているので、
スマホの取り扱いを厳しく制限している
学校も多くなってきていますね。

ここでいうゼロ・トレランスとは、ゼロ=「0」、
トレランス (tolerance)=「寛容性」、
つまり寛容性が0で、ルールを厳格に適用する
指導法を意味しています。

2006年に国立教育政策研究所がこの指導法を
提唱する報告書をまとめています。

このゼロ・トレランスが日本で普及したのは、
2006年以降のことだと考えられます。

1980年代も校則は厳しかった。では生徒手帳には何と書かれていたのか?

ただ、私自身が学生だった頃も
校則は厳しいという話が結構あったのを
思い出しました。

髪の毛が少し長かった男子生徒が
先生に呼び出されて、便所で
切られていたのを目撃しましたし、
服装チェックや持ち物チェックも
された記憶があります。

そこで、昔の生徒手帳を引っ張り出してみました。
正直な話、自分が中学生だった頃は
生徒手帳の校則なんて読んだ記憶がありませんでしたね。

参考になるよう、このエントリーでは
当時の校則を引用することにしました。
一学校としての例として
ご参照いただければと思います。

前提としては、
・時代:1980年代半ば頃
・場所:東京都
・学校:公立中学校
・途中で何回か出てくる「□中」は、三中とか、二中とかの意味です。
 特定を避けるため、ここだけ四角にしています
ということですね。

驚いたのは、「校則」ではなく
「私たちの約束」と書かれていたことです。
「生徒の自主性を重んじている」体裁に
しているようです……。

私たちの約束(公立中学校 校則)

□中生として、常に誇りと自覚を持ち、自分の言動に責任を持つ人間になろう。

1. 礼儀
1. 登下校の際、先生や知人、友人に会った時は、正しくあいさつをかわそう。
2. 校内で、先生方や来訪者に会った時は、えしゃくをしよう。
3. 校長室・事務室にはいる時はノックをし、許しを得てからはいり、えしゃくをしたあとで用件を話すようにしよう。職員室は試験中や会議中など
は、許しを得てからはいるようにしよう。
4. 誰と話す時でも正しい言葉づかいで話すようにし、語尾まではっきり話そう。また、聞く場合は、相手の話を最後まで聞きとるようにしよう。
5. 男女は互いに人格を尊重し合い、礼儀正しく、協力し合って生活しよう。

2. 服装・みだしなみ
1. 服装は、質素で清潔なものを着用しよう。
 ○男子
 ア. 黒の詰衿学生服を着用しよう。(衿にカラーをつける)
 イ. 上衣の給には、右に校章・左に学級章をつけいるようにしよう。
 ウ. 夏(6月1日〜9月30日)は、黒の学生ズボン・白ワイシャツまたは、白の開衿シャツを着用し、色物のシャツは着用しないようにしよう。
(校章・学級章は、胸につける)
 エ. 冬は防寒用オーバーコートを着用してもよいが、黒か紺系統のものを着用し、手袋、マフラーも派手でない実用的なものを使用しよう。ただし、室内では防寒用のオーバー、手袋、マフラーなどは着用しないようにしよう。
 オ. セーターは防寒用とし、色は黒・紺・茶・白とする。
 カ. マフラーはだらりと、だらしなくさげないここと。色はセーターに準ずる。
 キ. 髪はいつも清潔にし、中学生らしい髪型にしよう。耳、衿にかからない長さとし、着色・脱色・パーマ等加工した髪型は禁止する。
 ク. 肩かけかばんは正しく肩にかけ、片側掛けはしない。

 ○女子
 ア. □中指定の標準服を着用しよう。
 イ. 左胸に灰色の台布をつけ、校章・学級章をつけるようにしよう。
 ウ. 夏(6月1日~9月30日)は、標準服のスカート、(ベルトつきでもよい)を着用しよう。ブラウスは、ししゅう・レースなどのかざりのつかない白いものを着用し、胸章を左につけよう。
 エ. 冬の防寒用は男子(オ・カ・キ)に準ずる。
 オ. ソックス、ハイソックスは白無地とする。ストッキングはやむを得ない場合以外は着用しなない。(許可を得る)レース編み靴下は禁止する。
 カ. 髪はいつも清潔にし、中学生らしい髪型にしよう。肩にかからない、目にかからない髪型とする。肩にかかる長い髪は、編むか結ぶかすること。着色・脱色・パーマ等加工した髪型は禁止する。
 2. 上履は、学校で決められたものを着用しよう。
昭和59年度
 1年用…赤
 2年用…緑
 3年用…黄
3. 校舎内では、帽子をかぶらないようにしよう。
4. 靴はスポーツシューズとし、体育に不向きなおしゃれ靴や、はでな色ものは使用しない。
5. サブバックは、本校指定のものを使用し、その他の袋物の使用はしない。

3.健康・安全
1. 日課表にしたがって規則正しい生活をしよう。
2. 外出したり運動したあとは、汗をふきとり、手足を洗い、うがいするようにしよう。
3. 食事の前には必ず手を洗い、食後には口をゆすぐ習慣をつけよう。
4. 道路の歩行や校舎内での歩行は常に周囲の状況に気をつけ、右側を歩行するようにしよう。また歩行中は3人以上横にひろがらないよう、互いに気をつけよう。
5. 校舎内では静かに行動し、窓から体をのり出したり、窓の付近では絶対あばれないようにしよう。
6. 登下校は、必ず2人以上の集団で、きめられた・通学道路を通行しよう。
7. 屋上には上らないようにしよう。

4. 時間
1. 時間を大切にし、むだのない生活をしよう。
2. 始業10分前に登校し、遅刻しないようにしよう。
3. 始業の合図で自席につき、授業の準備をして静まかに自習しよう。
4. 集会などの集合時刻におくれないようにしよう。
5. 下校時刻を厳守し、日課表の予定時刻に帰宅するようにしよう。
6. 一般下校以後の居残りは残留届を出し、指導の先生のある場合に限り許可される。(最終下校時刻は別に定める)

5. 物や金銭の扱い
1. 所持品は、すべて校名・学年・組・氏名をはっきり書いておこう。
2. ハンカチ・チリ紙・生徒手帳は、常に身につけておこう。
3. 時計、学校から連絡のあったもの以外のお金、娯楽雑誌などは、学習に必要がないので持ってこないようにしよう。
4. 友人間での金の貸し借りや物品の売買はしないようにしよう。
5. 他人の物を無断で使用しないようにしよう。
6. 落し物をしたり、金品を拾った時は、直ちに先一生に届けよう。

6. 学習
1. 授業に必要なものは、前日に整えておき、忘れ物をしないようにしよう。
2. 授業の始めと終わりには、正しい姿勢で礼をしよう。
3. 授業中は私語をつつしみ、正しい姿勢で真剣に学習しよう。
4. 授業が始まってから入室したり、授業の途中で自室を離れる時は、先生に理由を述べ、許しを得るようにしよう。
5. 授業中、先生の質問に対して進んで応答しよう。

7. 整理・整頓
1. 自分の持ち物は、いつも整理し、決められた場所にきちんと保管しておこう。
2. 机・いす・ロッカーの中・掲示物・清掃具等はこいつも整頓しておこう。
3. 窓を開放する時は、整然と開き、下校する時は必ず閉めるようにしよう。
4. 校舎の内外に紙屑などが落ちている場合は、みつけた者が進んで拾うようにしよう。
5. 自分の靴箱は、自分が責任をもってきれいにしよう。
6. 便所の使用は、決められたことをよく守り、よごさないように気をつけよう。
7. 清掃当番は、全員協力して、すみずみまできれいにしよう。

8. 公共物
1. 机、いす・その他の校具・備品は、大切に使用し傷つけたり、落書きしたりしないよう、お互いに注意しあおう。
2. 電気・水道・トイレットペーパーなどは、むだに使わないよう気をつけよう。
3. 自分の所属する教室以外には、無断で立ち入らないようにしよう。
4. ガラス・校具・清掃用具等が破損した時は、すぐ担任の先生か係の先生に申し出るようにしよう。また小さな破損は、担任の先生と相談して、自分たちの手で修理できるものは、進んで修理しよう。
5. 非常扉・防火用器材・非常ベル・ガス器具・給食用リフト・シャッター・電気のスイッチ等には不用意に手を触れないようにしよう。

9. 諸届
1. 欠席・遅刻・早退・見学等の届は、生徒手帳の所定欄に記入して担任の先生に届け出よう。
2. 病気欠席が一週間以上になる場合は、医師の診断書を担任の先生に提出しよう。
3. 転校・保護者・住所・氏名などの変更・移動があった場合は、すぐに学校長宛、担任の先生に届けよう。
4. 通学・在学・旅客運賃割引等の証明書が必要な時は、担任の先生に申し出て、指示を得よう。
5. アルバイトをしようとする時は、担任の先生に相談し、必ず所定の手続きをとるようにしよう。

10. 校外生活
1. 校外では、常に□中生としての自覚をもって行動しよう。
2. 道路を通行する時は、交通道徳を守り、危険のないよう十分注意しよう。
3. 外出する時は、行先・目的・帰宅予定時刻・いっしょの友人等を保護者に告げ、許しを得てからは出かけるようにしよう。
4. レクリエーションは、常に中学生らしい健全なたものを選び、危険な遊びや、危険な場所では遊ばないようにしよう。
5. 外で見知らぬ人のたくみな甘言や誘いにのらないようにしよう。
6. 女子の一人歩きは、絶対さけよう。
7. 夜の単独外出は、絶対さけよう。
8. 外での買い食いは、絶対やめよう。飲食店の利用は、保護者と同伴のときのみとしよう。
19.不良行為をする仲間には、絶対入らないようにしよう。また、誘われても勇気を出してきっぱり・断わるようにしよう。
10. 地域の行事に関心をもち、進んで協力しよう。

11. 家庭生活
1. 日課表を作り、規則正しい生活をしよう。
 ア.学校からの連絡物を確実に保護者の方に渡そう。
 イ.学校で学習したことは、その日のうちに復習しよう。
 ウ. 宿題をすませたあと、予習する習慣をつけよう。
 エ. 翌日の準備をととのえる習慣をつけよう。
 オ. テレビは番組を選択し、自分の心の成長に役立つものを見よう。
 カ. 家族の一員として家事の一部を分担し、責任をもって仕事をやりとげよう。
2. 遅刻しないよう家を出るようにしよう。欠席・遅刻・早退・見学の場合は、保護者にその理由を記入してもらい、担任の先生に必ず届け出るようにしよう。

校則はあくまでもアウトライン。その背後に何があるか読み解くことが重要

こうした校則はあくまでもアウトラインで、
スカートは膝下○cmといった内容は校則として
明文化されず、当時の文部省(現・文部科学省)などの
指導要綱に沿っていたんだと思います。

スマホはもちろんのこと、インターネットもない時代ですから
メディアで大きな役割を果たしていたのはテレビでした。
そのため、テレビについて言及されています。

他にも、学校によっては、朝、校門の前に
竹刀を持った先生が仁王立ちしていた
ところもありましたね。
1990年代にとある場所でその光景を見て
まだこんなことをやっているのかと
驚いたのを思い出しました。

学校が校則を守らせるのは、
守らせること自体に意味があるというよりも、
むしろその裏側に何があるかを
読み解くことが重要になります。

これについては、また機会があったら
解説しようかと思います。

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