これからは巻き直しフィルムの現像をお店に出すのが難しくなりそうです

2020年3月18日

現在ではフィルムの規格は35mmとブローニーが
大半になっていますが、昔は実に多様な種類があって、
その規格に応じたカメラが製造されていました。

現在となっては絶滅してしまったベスト判、ボルタ判、
620フィルムなどのフィルムカメラでは
フィルムが絶滅したので撮影できません。

(1)現行フィルムを巻き直せば絶滅フォーマットのカメラが復活する

しかしフィルムカメラの醍醐味のひとつは、
現行のフィルムをこうしたカメラ用のスプールに
巻き直すと撮影ができることなんです。
最も手軽なのが35mmフィルムを使う方法ですね。

撮影後は元のパトローネに戻して
お店へ持って行って現像してもらいます。
もちろんこの作業では、フィルムが感光しないように
ダークバックを使わなければなりません。

こうすれば、絶滅したフィルムの規格を使用したカメラでも
撮影、現像して楽しむことができるわけです。

ここで、その例をいくつかお見せしましょう。

こちらはボルタ判の東郷堂メイスピーIa。

ボルタ判は大きさこそ35mmフィルムと同じですが、
裏に裏紙がついていてブローニーと同じような感じになってます。
ボルタ判カメラは小型のものが多いので、35mm用の
パトローネは入りません。

小さなおもちゃカメラなのに、
こんなにきれいに撮影できることがあって
仰天する次第です。

こちらはベスト判カメラの
コダック ブローニー ホリデー フラッシュ。
1954〜62年製造なので、優に半世紀を超えるくらい
昔のカメラですね。

こちらは高さは大丈夫ですが横幅が足りません。

ちょっとゆるめのトイカメラ、といった写りです。

(2)巻き直しの際の貼付テープが新型現像機の故障原因に

こうしたフィルムの巻き直しにあたっては、
一度フィルムを引き出した上で切断するため、
スプールに巻き付ける、パトローネに戻す作業の際に
セロテープやマスキングテープなどを利用します。

しかし、最近の現像機はこのテープを巻き込んでしまい
故障の原因になってしまうのだとか。

先日、フィルムの現像代金を格安 (1本約200円) にする方法【2020年版】という
エントリーで33本のフィルム現像をお願いしました。

そのとき、その業者ではフジフイルムの
新設備を導入していたそうです。
フィルムを送付する前にいただいた文章の中に、
こんな注意書きがありました。

要約すると、
・フィルムの先にセロハンテープなどがついていると
　現像機が故障する可能性がある

・フィルムを詰め替えた場合、テープ留めが剥がれて
　現像機が故障する可能性がある

・テープなどが原因で現像液交換、機械が故障した場合には
　修理代を請求する

ということは、これからは巻き直しのフィルムは
現像してもらえなくなる可能性が高いということに……。

困ったことになりました。

(3)巻き直しフィルムの現像はどうすればよいか

では巻き直しフィルムを現像するにはどうすればよいか。
考えられる対処法は3つあります。

・自家現像する
　現像液や器具を買ってきて、自分で現像することです。
　こちらは可能性の一つとしてはありですが、
　手間と時間がかかり、コツがいるので
　初心者にはちょっと敷居が高い。
　あまり現実的な選択肢とはいえません。
　自家現像できるのなら既にやっているわけで……。

・プロラボにお願いする
　現像の際にクロスプロセスなど細かい設定が可能なのが
　プロラボというお店ですが、
　かなり料金が高いのでこちらも
　あまり実用的とはいえませんね。

・格安現像のお店に別料金でお願いする
　こちらが一番可能性が高いと思います。
　実は前回のエントリーでお願いしたオークション現像の
　お店に交渉してみたところ、価格は高くなりますがOKが出ました。
　フィルムを巻き直して現像機にかけるため
　手間がかかるということで、
　1本450円で現像してくれました。
　200円と比べると倍以上しますが、
　それでもお店に持って行って現像してもらうよりも安い。
　ただしその際には、お願いするところが巻き直しフィルムの
　現像を扱っているか事前に問い合わせる必要があります。

ということで、新型現像機を導入しているお店では
巻き直しフィルムの現像をすると故障する可能性が高いので
現像してもらえないケースが増えるだろう、というお話でした。

昔のように何食わぬ顔で巻き直しフィルムを現像に出すと
現像機の修理代を請求される危険性があるのでご注意を。

でも、交渉すれば現像してくれるところもあるので、
フィルムを出す前に必ず相談してみましょう。

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